「農場」とか「農園」という訳が一般的のようだ。「ファーム」という英語である。野球では2部相当のチームを指してこう呼ぶ。日本のプロ野球では2軍、米国ではマイナーリーグのチームのことを指す
▼2軍がなぜ「農場」なのか。ファームという言葉には「養育する」というニュアンスもあるらしい。確かに2軍は若手選手を育て、鍛え上げる場としての性格が濃いのだろう。都会の喧噪(けんそう)から離れ、静かな環境で伸び伸び育ってほしいという願いも込められそうだ
▼ファームリーグとも呼ばれるプロ野球の2軍戦に、オイシックス新潟アルビレックスBCなど2球団が新たに参入することになった。これまで所属していた独立リーグよりも高いレベルの舞台で戦うことになる
▼チームの年間試合数は、これまでの倍以上の約140試合になる。このうち、約半数が県内での開催が見込まれる。県内の球場で甲子園を沸かせた選手や、将来のスター候補のプレーが見られる機会が格段に増える
▼チームの戦力アップや集客など課題は多い。それでも、先日開かれたプロ野球オーナー会議に出席した、DeNAの南場智子オーナー(新潟市中央区出身)は「地元でみんなが愛する球団ができるのはとてもいいこと」と歓迎する姿勢を見せた
▼専門家からは経済効果に期待する声も聞こえる。ファームという言葉は農業県の新潟にとってどこか親近感がある。選手の育成だけでなく、プロスポーツが地域を盛り上げる土壌も育てる舞台にしたい。