屋根瓦が落ちた住宅=1月2日、糸魚川市鬼伏
屋根瓦が落ちた住宅=1月2日、糸魚川市鬼伏

 石川県能登地方を震源とする1月1日の地震で、震度5強を観測した新潟市糸魚川市では2日午前までに軽傷4人、住宅など建物計17件の被害が確認された。市内の国道8号沿いでは瓦が落ちたり、塀が倒れたりした住宅もあり、住民らが不安な表情を浮かべていた。

 建物被害17件の内訳は、屋根瓦の落下や家の傾きなど住家5件、その他がブロック塀の倒壊など12件だった。地震の発生当初、74カ所の避難所に5967人が避難した。

 一部世帯で断水したほか、小学校や保育園で建物のひび割れなどの被害が出た。糸魚川市内の筒石川では津波がさかのぼる河川遡上が確認された。鬼伏(おにぶし)の林道で土砂災害が発生したが、人的被害はないとみられる。

 自宅の瓦が落ちた鬼伏の男性(68)は「立っていられないほどの揺れで、柱にしがみついて収まるのを待った。こんな長くて大きな地震は初めてだ。揺れが収まって外に出たら、瓦が落ちて破片が飛んでいた。修理がいつになるか分からない」と不安そうに話した。

 糸魚川市鬼伏の住民(81)も自宅の塀が倒れ、家の壁が一部落ちた。「近所の人の助けで高台に避難し、午前2時ごろ家に戻った。家は棚が倒れ、壁が落ち、亀裂が入り、足の踏み場もない。これからのことはまだ考えられない」と力なく話した。

◆土砂崩れの国道8号、通行止め解除の見通し立たず・上越市茶屋ケ原

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