
10月のとある日のお昼過ぎ、予定日よりも2週間ほど早く我が子が誕生した。仰向けになっていた私の右胸あたりでその命を受け止めたとき、温かさと重さを感じて涙が滲んだ。「よく頑張ったね、偉かったね。」生まれてくる前からたくさん話しかけていたが、これからは直接話しかけることができることに喜びがこみ上げていた。
生まれたばかりの赤ちゃんは目があまり見えないと聞いていたが、私の目には生まれたばかりの息子がこちらを見たりキョロキョロと辺りを確認しながら「ここはどこだろう」と不安そうにしているように見えた。そんな姿を見て、これから私がこの子をしっかり守り抜かなければならないという気持ちが強くなった。当日の夜は子どもを預かってもらったものの、目が冴えていてゆっくり休むことはできなかった。

次の日から子育てがスタートした。身体はまだボロボロで大変だったが子どもが可愛くて幸せで、母親としての愛情がむくむくと育っていくのを感じた。ウイルス禍のため入院してから退院まで家族との面会は一切できなかったが、大部屋を利用したのでカーテンの向こうで他のお母さんも頑張っている様子が伝わってきて心強く、夜間は特に救われた。
退院後は数日間自宅で過ごしてから実家に戻り2ヶ月ほどお世話になった。可愛い子どものためとはいえ1、2時間程の睡眠を少しずつとることしかできずに疲労が溜まり、毎日辛かった。しかし、母と父のサポートがあったことでなんとか乗り越えられたと思う。2人とも孫の成長を自分の子どものことであるかのように喜んでくれていたことも嬉しかった。自分の子育てを通して親の大変さを知り、両親もこうやって苦労しながら育ててくれたのかなと思うと改めて感謝せずにはいられなかった。

そんな大変な時期は今や遠い昔のように感じ、我が子は1歳を迎えた。作ってあげたご飯が口に合うとパチパチと拍手をしてこぼれるような笑顔を見せてくれるし、何品か並べると「こっち、こっち!」と言いながら食べたいものを順番に指さし、その通りに食べさせるとまた満面の笑みをくれて、喜びを表現する姿に癒されている。ひとり歩きがまだ上手ではないので応援しながら優しく見守っているが、抱っこしてお出かけすることやご飯を食べる手助けをすることは今だけだと思うと少し寂しかったりもする。我が子には生まれてきて良かった、幸せだと思ってもらえるように、これからも子の人生を支え、笑顔を守っていきたい。
2003年に結成された新潟発アイドル・ユニット。
メンバーはNao☆、Megu 、Kaede。「にいがた観光特使」を務める。
2023年7月20日で結成20周年を迎えた。