
津波警報が発表され、高台に避難した寺泊地域の住民ら=1月1日午後4時30分過ぎ、長岡市寺泊荒町(小川隆司さん提供)
石川県内で震度7、新潟県長岡市(中之島)で震度6弱を観測した能登半島地震から2月1日で1カ月となった。気象庁による津波警報の発表を受け、海岸部を抱える長岡市の寺泊地域では、多くの住民が高台に逃げるなどした。命を守るため、住民たちはどう判断し、どう行動したのか。地震発生時の「寺泊の1月1日」を振り返り、課題を探った。
1月1日午後4時10分、地震発生。居間で家族とテレビを見ていた寺泊山田集落の鈴木保夫さん(64)を激しい横揺れが襲った。揺れが収まると津波警報の大きなテロップが流れた。自宅裏には海岸が広がる。「逃げなければ」。家族に避難するよう声をかけながら、慌てて外に飛び出した。
区長でもあり...
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