
マイナス金利政策の解除などを決めた金融政策決定会合後に、記者会見する日銀の植田総裁(奥)=3月19日、日銀本店
日銀が3月19日、マイナス金利政策民間銀行が日銀に預ける当座預金の一部にマイナスの金利を適用し、手数料を課す政策。銀行は日銀にお金を預けると損をするため、企業や家計への融資を増やそうとして金利を低くする効果を期待している。大規模な金融緩和策の一環で2016年1月に導入を決定し、翌2月から始まった。企業や家計の金利負担が減った半面、金融機関の収益減といった副作用も指摘されていた。を解除した。今春闘の賃上げが高水準で、政策を正常化する環境が整ったと判断した。景気の下支えを続けてほしいと政策変更に反対してきた政府も、物価高という副作用の深刻化で後押しする側に回った。日銀にとっては異次元緩和からの念願の脱却だが、これが物価高を抑制し、消費者に恩恵が及ぶかどうかが焦点。物価を左右する外国為替相場の動向が当面、注目される。
「異次元緩和は終了した」。日銀の植田和男総裁は3月19日の記者会見で言い切った。マイナス金利を長く続けたため不測の混乱が起きないよう小幅の利上げにとどめたと説明。中小企業の賃上げは「ある程度以上上がる自信や根拠があってとい...
残り1143文字(全文:1443文字)