
能登半島地震で半壊したアパート。解体が決まり、駐車場のコンクリートは割れたままだった。下水がつまる恐れから仮設トイレが置かれていた=新潟市西区寺尾朝日通
能登半島地震による液状化水分を多く含んだ砂質の地盤が、地震による強い揺れで液体のように流動化する現象。地表に水や砂が噴出したり、地盤が沈下したりする。土管やマンホールが浮き上がることもある。埋め立て地や干拓地など、緩い砂質で地下水位が高い場所で起こりやすい。条件を満たせば内陸でも発生する。1964年の新潟地震では橋や鉄筋コンクリートの建物といった大型構造物が崩れ、対策工法の開発が進むきっかけになった。阪神大震災や東日本大震災でも発生した。の被害が激しかった新潟市西区寺尾地区では、住宅や道路の復旧が徐々に進む一方、取り残されたように爪痕が刻まれたままのアパートが複数ある。賃貸住宅は戸建てと違い、修繕を支援する公的制度がほとんどない。大家には重い負担がのしかかり、再建を諦めるケースも出ている。解体が決まったアパートでは住民が転居先探しに頭を悩ませていた。(報道部・樋口耕勇、佐藤雄太)
「心苦しいが、移ってもらうしかない」。新潟市西区寺尾朝日通に2階建てアパートを所有する...
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