イコモスによる現地調査=2023年8月、佐渡市(文化庁・新潟県・佐渡市提供)
イコモスによる現地調査=2023年8月、佐渡市(文化庁・新潟県・佐渡市提供)

 新潟県佐渡市の「「佐渡島(さど)の金山」「相川鶴子金銀山」と「西三川砂金山」の二つの鉱山遺跡で構成。17世紀には世界最大級の金の産出量を誇った。金の採取から精錬までを手工業で行っていた時代の遺構が残っているのは、世界的に例が少ないとされる。」の世界文化遺産1975年に発効した世界遺産条約に基づき、歴史的建造物や遺跡を対象にユネスコが人類共通の財産として登録する。国内では姫路城などが登録されている。世界遺産にはほかに、貴重な生態系などの自然遺産と、文化と自然の要素を併せ持つ複合遺産がある。登録の可否は世界遺産委員会が決める。登録を審議する国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会の開催が、3カ月後に迫っている。7月21〜31日にインドで開かれる委員会の6週間前までには、諮問機関・国際記念物遺跡会議(イコモス)の勧告が発表されることになっており、関係者は5月下旬にも勧告が出るとみている。勧告は世界遺産委での判断に直結するだけに、注目が集まる。

 ユネスコの作業指針によると、イコモスは委員会開催の6週前までに、提出国へ審査の結果を送ることになっている。評価は4段階あり、(1)世界遺産にふさわしいとする「登録」(2)内容を一部直せば1年後に再審査をする「情報...

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