県民やブースター(ファン)の期待を裏切り、今季も再び悔しい思いをさせた。チームの解体的出直しが急務といえる。
男子プロバスケットボールBリーグ2部(B2)の新潟アルビレックスBBが、来季はB3リーグに降格する。
Bリーグ1部(B1)からB2に降格して迎えた今季、アルビBBは60戦でわずか7勝、B2史上最多敗戦数タイの53敗を喫した。21日の最終戦も大敗し、選手らが頭を下げた。
2021~22年から3季連続の最下位だ。B1に所属したチームのB3降格は初めてとなる。
「1年でB1復帰」を掲げて臨んだ今季、チームの底上げができないまま初戦を迎え、開幕から8連敗とつまずいた。
主力に想定した外国籍選手が故障し、1カ月ほどで離脱した。その後、司令塔となる正ポイントガード(PG)が不在のまま、場当たり的な対応に終始した。
選手起用が偏り、後半に突き放される試合が多かった。得失点差は他に大きく離されたマイナス893点だ。攻守ともに振るわず、大敗が続いた。
オーウェンズ監督と選手との信頼関係が醸成しきれないままシーズンが終わった。相手チームの研究や対策が不足したことが、低迷の要因だとの指摘もある。
補強など手を打てなかったフロントの責任も極めて重い。B2を甘く見ていたのではないか。厳しく検証せねばならない。
アルビBBは2000年に日本初のプロバスケチームとして誕生した。18~19年にはB1で地区優勝を果たすなど輝かしい歴史を残す一方、主力選手の流出が止まらず成績は下降線をたどった。
ファン離れも進んだ。今季、アオーレ長岡(長岡市)などホームで行った試合の平均入場者数は1766人で、18~19年の3266人から大きく減った。
「バスケ王国」と呼ばれる本県で、アルビBBはその象徴的存在といえる。子どもたちの憧れの存在であり続けるためにも、夢のあるチーム作りをしてほしい。
長岡市は、アリーナ使用料を減免するなどチームを支えてきただけに失望は大きく、磯田達伸市長は「来季はチームの存在意義が問われている」と語気を強めた。
チーム再建へ、今月就任した糸満盛人社長は「一から出直し、来季こそ恩返ししたい」と覚悟を示した。期待に応えてほしい。