リリーの代表的な商品「ディスポ(使い捨て)防炎カーテン」をたたむ従業員。日本初の製品として、特許を取得している=新潟市東区豊3
リリーの代表的な商品「ディスポ(使い捨て)防炎カーテン」をたたむ従業員。日本初の製品として、特許を取得している=新潟市東区豊3

 2024年に創業70年目を迎えた新潟市東区豊3の「リリー」は、出産前の破水や、血液が混じった産後の分泌物を吸収する「お産用ナプキン」を、日本で最初に開発した産科用品メーカーだ。近年は医療用衛生材料の開発にも力を入れる。「生命を大切にする会社」をモットーに、医療現場の求める商品作りを追求している。

 リリーは、相場一明社長(48)の祖父・清さん(故人)が、1955年に創業し、株式会社リリー商会を設立した。

 リリーは英語でユリを意味する。ユリは母性の象徴とされるため、清さんは女性を対象にした事業を計画していたとみられる。60年に日本で初めて、お産用の使い捨てナプキンを開発、販売した。

 男性の清さんがお産用ナプキンを思いついたのはなぜか-。...

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