
能登半島地震直後の住宅街。液状化による噴砂で覆われていた=1月2日、新潟市西区寺尾地域
能登半島地震2024年1月1日午後4時10分ごろに発生した石川県能登地方を震源とする地震。逆断層型で、マグニチュード(M)7.6と推定される。石川県輪島市と志賀町で震度7を記録し、北海道から九州にかけて揺れを観測した。気象庁は大津波警報を発表し、沿岸部に津波が襲来した。火災が相次ぎ、輪島市では市街地が広範囲で延焼した。の発生から8月1日で7カ月がたった。新潟市は液状化水分を多く含んだ砂質の地盤が、地震による強い揺れで液体のように流動化する現象。地表に水や砂が噴出したり、地盤が沈下したりする。土管やマンホールが浮き上がることもある。埋め立て地や干拓地など、緩い砂質で地下水位が高い場所で起こりやすい。条件を満たせば内陸でも発生する。1964年の新潟地震では橋や鉄筋コンクリートの建物といった大型構造物が崩れ、対策工法の開発が進むきっかけになった。阪神大震災や東日本大震災でも発生した。した西区寺尾、黒埼の両地域を対象に、街区単位での液状化対策を検討している。個人が自宅の敷地で行う対策とは異なり、道路などの公共物も含めて地域一帯で液状化に耐えられるようにするのが狙いだ。ただ、施工費用の一部を住民が負担する場合もあり、住民の同意をどれだけ得られるかなど課題は多い。(報道部・奥村直之)
液状化対策は、地盤沈下で傾斜した家屋を引き上げる「復旧」と、将来的な地震による再液状化を防ぐ「地盤改良」の二つに大きく分けられる。
新潟市が検討を進めている街区単位の対策は「地盤改良」の位置付けで、再液状化を防ぐのが目的だ。専門家によ...
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