青い目の人形について戦後も語らずじまいだった母の心中をおもんぱかる村田玲子さん=村上市
青い目の人形について戦後も語らずじまいだった母の心中をおもんぱかる村田玲子さん=村上市

 太平洋戦争の終結から8月15日で79年となる。戦いのさなか、子どもたちは学びの場から学徒動員で駆り出された。終戦を迎えても、空腹を抱える日々が続いた。大人が起こした戦争は、少年少女の目にどう映っていたのか-。当時、子どもだった人たちの記憶の糸をたどった。(5回続きの2)

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 長いまつげに青い瞳、赤みがかった肌。帽子からのぞく金髪や淡いピンクの洋服、靴なども、驚くほど精巧にできている。身長約38センチ。100年ほど前、米国から日本の子どもたちに贈られた「青い目の人形」だ。持ち主の新潟県村上市の村田玲子さん(79)は「普段は大切にしまっていて、ひな祭りの時にだけ飾っています」と、わが子...

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