5冊シリーズにまとまった少年飛行兵の証言集。右下が樋浦昭二さん(※「樋」は木へんに「通」)を掲載した第5集
5冊シリーズにまとまった少年飛行兵の証言集。右下が樋浦昭二さん(※「樋」は木へんに「通」)を掲載した第5集

 戦前、日本陸軍によって養成された少年飛行兵の体験を次の世代に伝えようと、新潟県の2人を含む元飛行兵30人の証言集がまとまった。東京都立川市の市民団体「陸軍少飛平和祈念の会」のメンバーがインタビューし、5冊シリーズに編集した。副会長の鳥海賢三(とりうみ・けんぞう)さん(76)は「30人のうち半分ほどの方が亡くなった。元気なうちに生の声が聞ける最後の時期だった」と話し、多くの人に読んでほしいと期待している。

 志願制の少年飛行兵は1934年に1期生が埼玉県の所沢飛行学校に入校。その後、東京都や大分県などでも養成された。終戦までに約4万4千人が卒業し、約4500人が戦死した。13、14歳でも受験でき、最年少の戦死者は17歳2カ月だった。特攻で亡くなった人も多かった。

 陸軍少飛平和祈念の会は...

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