笠鳥公一副知事(右)と面会した英国のロングボトム駐日大使=8月20日、県庁
笠鳥公一副知事(右)と面会した英国のロングボトム駐日大使=8月20日、県庁

 英国のジュリア・ロングボトム駐日大使が8月20日、新潟県庁を訪れ、笠鳥公一副知事と面会し、エネルギー問題などで意見を交わした。ロングボトム大使は原発利用について、「クリーンエネルギーとしての役割がある。ベースロード電源として重要だ」と述べた。笠鳥副知事は「東京電力福島第1原発事故2011年3月11日に発生した東日本大震災の地震と津波で、東電福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の6基のうち1~5号機で全交流電源が喪失し、1~3号機で炉心溶融(メルトダウン)が起きた。1、3、4号機は水素爆発し、大量の放射性物質が放出された。以来、地域に不安感が色濃くある。設備基準は厳しくなったが、そこから先に進めるには、県民の理解が必要だ」と現状を語った。

 ロングボトム大使は8月19日に東電柏崎刈羽原発新潟県の柏崎市、刈羽村にある原子力発電所で、東京電力が運営する。1号機から7号機まで七つの原子炉がある。最も古い1号機は、1985年に営業運転を始めた。総出力は世界最大級の約821万キロワット。発電された電気は関東方面に送られる。2012年3月に6号機が停止してから、全ての原子炉の停止状態が続いている。東電が原発を再稼働させるには、原子力規制委員会の審査を通る必要がある。7号機は2020年に全ての審査に「合格」したが、安全対策を施している最中で、再稼働していない。を視察し、東電から安全対策の説明を受けた。

 笠鳥副知事との面会で、ロングボトム大使は「クリーンエネルギーと気候変動の問題は世界が直面する一番重要な課題だ」と指摘。「新潟は...

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