身の危険を感じる局地的な豪雨が頻発している。台風10号も日本列島に上陸する見込みで、本県に接近する恐れがある。

 気象庁や自治体の情報をこまめに確認したい。いざという時の備えを万全にして、早めの避難を心がけるなど命を守る行動を取ることが肝心だ。

 県内は25日、暖かく湿った空気が流れ込むなど大気の状態が不安定となり、各地で非常に激しい雨が降った。小千谷市付近で1時間に約110ミリの雨を観測し、長岡市では観測史上最大の1時間69・0ミリを記録した。

 先月は新潟市で3時間の降水量が106・5ミリと、7月の観測史上最大を記録した。

 秋田・山形両県でも記録的大雨で、死者や行方不明者が出たほか、最上川など両県で30以上の河川が氾濫して、住宅や公共インフラなどに甚大な被害が生じた。山形県酒田市などに大雨特別警報が1日に2回出る異例さだった。

 地球温暖化の影響で、毎年のように大雨の被害が出ている。線状降水帯の発生も相次ぐ。

 日本周辺の海面水温が高く、大量の水蒸気が供給され、雨雲が形成されやすくなっていることなどが要因とみられる。

 近年は特に日本海や東北沿岸での海面水温の上昇が顕著だ。気象庁によると、酒田市に大雨特別警報が出た際の日本海の海面水温は、平年より1~3度高かった。

 九州や四国など西日本は地理的に大雨になりやすいが、もはや全国どこでも起こりうると認識せねばならない。

 自治体の避難情報や気象庁のウェブサイトなどの情報を積極的に集め、不安を感じたら早めに避難することが大切だろう。

 足元が見づらい夜間や、雨が激しく外に出るのが危険な場合は、自宅で2階より上に行く垂直避難などを検討したい。

 大雨では、土砂災害や河川の氾濫のほか、市街地で排出しきれない雨水があふれる内水氾濫にも注意せねばならない。

 ハザードマップなどで浸水想定区域の確認が欠かせない。

 都市部では、線路や橋の下などを通るアンダーパスが冠水し、車が水没する被害も多発している。気を付けたい。

 秋にかけ、台風も頻発するだろう。海水面の高い状態は、台風の勢力も強めている。

 勢力を保ったまま日本に近づき、広い範囲で激しい風雨となる台風が増えることが予想される。これまで以上の警戒が必要だ。

 夏の偏西風が2010年ごろから北上し、風が弱くなった結果、台風の速度が遅くなり風雨をもたらす時間が長くなる傾向がある。

 一方で、台風の予測精度は格段に向上している。台風の危険があれば不要不急な外出は控え、安全確保を第一に行動したい。