
星野秀雄さん(右手前)にインタビューをする「ふるさと未来創造堂」のメンバー=長岡市
学校向けに防災教育を行う新潟県長岡市のNPO法人「ふるさと未来創造堂」が、中越地震2004年10月23日、新潟県中越地方を震源として発生した地震。旧川口町(現在の長岡市)で震度7、旧山古志村、旧小国町(いずれも現長岡市)、小千谷市で震度6強を観測した。新潟県や内閣府の資料によると、地震の影響で68人が亡くなり、4795人が重軽傷を負った。住宅の被害は計12万1604棟で、このうち全壊は3175棟、大規模半壊は2167棟、半壊は1万1643棟だった。の知見や教訓を次世代に伝えるため、映像教材を活用したサービス「カタリdeツナグ」を提供している。被災体験者にインタビューし、映像で構成する教材を作成。教材を貸し出すことで、講師の派遣がなくても授業ができるようにする試みだ。
NPOは小中学校の相談に応じ、防災授業の開催や講師の紹介をしている。学習支援の要請は年々多くなっており、2023年度は市外、県外も含む230校を支援した。
学校からの要請が多いのが、震災体験者による「語り」だ。しかし講師の人数に限りがある上に、震災から20年がたち、体験者の高齢化や記憶が薄れつつある課題がある。そこで、NPOは体験談を記録した映像教材を作ることにした。
被災した住民への取材は6月に始めた。授業で扱いやすいように、体験者にインタビューをし、1組分を「地震当日」「避難生活」「復興」などテーマごとに5〜7本に分け、1本当たり3〜4分に...
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