防災の講座で中越地震の復興について語る大阪大の宮本匠准教授=9月、アオーレ長岡
防災の講座で中越地震の復興について語る大阪大の宮本匠准教授=9月、アオーレ長岡

 大阪大学人間科学部准教授の宮本匠さん(40)=社会心理学=は、大阪大の学生時代に中越地震2004年10月23日、新潟県中越地方を震源として発生した地震。旧川口町(現在の長岡市)で震度7、旧山古志村、旧小国町(いずれも現長岡市)、小千谷市で震度6強を観測した。新潟県や内閣府の資料によると、地震の影響で68人が亡くなり、4795人が重軽傷を負った。住宅の被害は計12万1604棟で、このうち全壊は3175棟、大規模半壊は2167棟、半壊は1万1643棟だった。の復興支援で新潟県を訪れて以来、20年近くにわたり中越地域に関わる。現在は災害復興や防災を研究し、中越の復興事例を伝えている。東日本大震災や能登半島地震の被災地にも入った。中越地震について「災害をきっかけに生まれた被災者と若い人の関わりが、復興の力になった」と分析する。

 大阪府出身。大学3年だった2005年春、友人に誘われ、小千谷市で住民と共に被災した道路の復旧に加わった。それまで災害や中山間地に関心はなかったが、出会った山の人々は明るくたくましく、魅力的だった。

 「また会いたい」と頻繁に訪れるようになり...

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