再建した山崎醸造の本社とみそ工場
再建した山崎醸造の本社とみそ工場

山崎醸造の山﨑亮太郎社長。中越地震による被災と復興の歩みを大切にしたいと考えている

 2004年10月23日に発生した新潟県の中越地震2004年10月23日、新潟県中越地方を震源として発生した地震。旧川口町(現在の長岡市)で震度7、旧山古志村、旧小国町(いずれも現長岡市)、小千谷市で震度6強を観測した。新潟県や内閣府の資料によると、地震の影響で68人が亡くなり、4795人が重軽傷を負った。住宅の被害は計12万1604棟で、このうち全壊は3175棟、大規模半壊は2167棟、半壊は1万1643棟だった。では多くの企業が被害を受け、経営の立て直しを迫られた。みそ、しょうゆ製造県内大手の「山崎醸造」(小千谷市東栄3)と「新潟県醤油(しょうゆ)協業組合」(長岡市十日町)の2社も当時、設備が大きく損壊した。先行きが見えない中、ライバル同士が互いに協力し合うことで困難を乗り越えた。震災から20年たち、両社は着実に成長への歩みを進めている。

 山崎醸造は1940年に創業。米菓メーカー向けのしょうゆ生産で成長し、「ヤマサキ味噌(みそ)」は県内に広く知られる。

 震災でしょうゆ・みその製造工場が全壊し、倒れた貯蔵タンクからしょうゆが漏れ出した。築10年だったしょ...

残り2373文字(全文:2673文字)