東京電力柏崎刈羽原発の安全対策などについての報告書案が示され、委員が議論した県技術委員会=11月6日、新潟市中央区
東京電力柏崎刈羽原発の安全対策などについての報告書案が示され、委員が議論した県技術委員会=11月6日、新潟市中央区

 東京電力柏崎刈羽原発新潟県の柏崎市、刈羽村にある原子力発電所で、東京電力が運営する。1号機から7号機まで七つの原子炉がある。最も古い1号機は、1985年に営業運転を始めた。総出力は世界最大級の約821万キロワット。発電された電気は関東方面に送られる。2012年3月に6号機が停止してから、全ての原子炉の停止状態が続いている。東電が原発を再稼働させるには、原子力規制委員会の審査を通る必要がある。7号機は2020年に全ての審査に「合格」したが、安全対策を施している最中で、再稼働していない。の安全性を確認する新潟県技術委員会新潟県が柏崎刈羽原発の安全確認を行うに当たり、専門家から技術的な指導や助言を得るために設置した委員会。原子炉物理や地震工学、品質管理の専門家らで構成されている。正式名称は「新潟県原子力発電所の安全管理に関する技術委員会」。東京電力が柏崎刈羽原発や福島第1原発などで、重要な設備にひび割れがあるなどのトラブルを隠ぺいした問題を受け、2002年に設置された。(座長・小原徹東京科学大教授)が11月6日、新潟市中央区で開かれ、東電福島第1原発事故2011年3月11日に発生した東日本大震災の地震と津波で、東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の6基のうち1~5号機で全交流電源が喪失し、1~3号機で炉心溶融(メルトダウン)が起きた。1、3、4号機は水素爆発し、大量の放射性物質が放出された。を踏まえた柏崎刈羽原発の安全対策について報告書案が示された。「特に問題となる点はない」と結論付けた原案に対して、委員からは異論が相次ぎ、次回の会合で再度検討することになった。

 県技術委は事故時の安全対策や耐震評価、東電の原発を運転する適格性など22項目に分けて議論し、確認作業は大詰めを迎えている。報告書案は...

残り467文字(全文:692文字)