美術を愛する街の精髄

 城下町である新発田市は一方で美術を愛する街として、この約10年間でも300点を超える作品を収集し、所蔵してきた。今回の展示は「外界とものを見つめる」「知覚による変容」「実在から夢想へ」という三つのテーマで、特別展示(借用作品)も含めた62点を紹介する。

 さて、19世紀に確立された近代絵画は、人物画、風景画、静物画を原型とし、20世紀初めには、印象派やフォービスム、キュービスム、シュールレアリスムなどの絵画を生み出した。また、風景画を起点とした抽象絵画の祖モンドリアン(1872〜1944年)やクレー(1879〜1940年)の表現を愛する人も多いだろう。さて、前述したテーマと対照しながら展示を紹...

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