
折り畳みベッド「桐らくね」を製造する桐建材の工場=新潟市西蒲区遠藤
桐を使った家具などの製造販売を行う新潟市西蒲区遠藤の「桐建材」が創業20年を迎えた。桐の軽さを生かして、看板商品である折り畳みベッドは全国の宿泊施設などでも使用されているほか、個人向けの販売も好調だ。代表取締役社長の呉達仁(ご・たつひと)さん(61)は「桐の素材のやさしさとぬくもりを多くの人に体感してほしい」と呼びかけている。
呉さんは中国・北京市生まれ。留学生として東京学芸大、新潟大学大学院(美術教育専攻)を修了した。卒業後は、燕市の製造メーカーに就職し数年後、加茂市の桐製品の製造会社に転職。この時に桐の素材の良さを知り、魅力を伝えたいと考え独立して桐建材を設立した。
呉さんは「桐は軽くて柔らかく火にも強い。熱伝導率が低く、調湿効果にも優れていて、やさしい素材として感じられる」と魅力を説明する。
創業時は、桐のフローリング材の販売を行っていた。ある時、木製の折り畳みベッドは重くて扱いにくいとする問屋からの依頼を受け、2010年から約2年をかけて桐を素材にした折り畳みベッドを開発した。軽量で手軽に移動でき、楽に寝られるように商品名を「桐らくね」とした。

当初はインターネット通販や県内外の旅館やホテルを回り訪問販売。また、都内の展示会で出品したり、店舗で実演販売を行ったりして商品の認知度アップに努めた。
桐らくね(6万3800円から)は、幅2メートル、奥行き95センチ。高さが異なるものが2種類あり、24センチタイプは重量13・5キロ、35センチタイプは15キロ。組み立ては不要で布団を敷けばすぐに使える。折り畳んでもわずか18センチで、壁際やクローゼットなどでも容易に収納できるのが特徴だ。
また、19年には背中にフィットして心地よい手触りに...
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