あと一歩だった。惜しくも敗れたものの、多くの県民に勇気と感動を与えた。奮闘した選手たちはもちろん、支えたスタッフ、サポーターたちをたたえたい。
サッカー女子の皇后杯全日本選手権決勝が25日、広島市で行われ、アルビレックス新潟レディース(新潟L)は三菱重工浦和レッズレディースにPK戦の末に敗れ、準優勝となった。
新潟Lの皇后杯決勝は2016年度以来5度目となる。いずれも準優勝だった。今回も悲願の初タイトル獲得はならなかった。
橋川和晃監督は「100%のファイトをして、最高のゲームだった」とし、「何かが足りないからタイトルを取れなかった。そこへ挑み続ける」と述べた。
今後もチーム一丸となり高い意識を保ちながら、チーム力のさらなる底上げを図ってほしい。
浦和は皇后杯で優勝経験があり、昨季WEリーグも制覇した強豪だ。圧倒的な攻撃力を誇る。
新潟Lは序盤に先制されたものの徐々に押し返した。持ち前の堅い守りから状況に応じた攻撃を繰り出す「堅守柔攻」を見せ、前半28分にMF滝川結女選手が同点ゴールを決めた。
2011年ワールドカップ(W杯)優勝メンバーで主将、MF川澄奈穂美選手や、MF上尾野辺めぐみ選手らベテラン勢がチームを引っ張り、若手も奮闘して、相手ゴールに迫った。
一進一退の攻防が続き、延長戦も1-1のまま決着が付かなかった。もつれこんだPK戦は4-5で敗れたが、互角以上の戦いぶりだったといえよう。
新潟Lは、今季の目標を「本気でタイトルに挑む」と掲げている。皇后杯には届かなかったが、WEリーグ戦は現在5位で前半戦を折り返している。
準優勝の自信と悔しさをばねに、3月に再開するWEリーグ戦で躍進してほしい。
会場には約300人のサポーターが駆けつけ声援を送り、選手たちを後押しした。
新潟Lへの関心度は、昨季のWEリーグで最高の4位なったことや、選手たちの地道な社会貢献活動もあり、高まっている。とはいえ、男子に比べて、女子の人気はまだまだだ。
新潟Lが活躍し、女子サッカーの人気につながるよう、私たちも応援していきたい。