
JA県厚生連への財政支援について話し合った県と病院立地9市、県厚生連のトップらによる会談=2月6日、県庁
JA新潟県厚生連に対し、県は10億円規模、厚生連病院立地9市は計9億円の財政支援をそれぞれ行うことを表明した。調整は難航したが、公的支援を得ることで厚生連は2025年度に経営が立ちゆかなくなる事態は回避した。しかし危機は完全に去ったわけではない。厚生連の経営改革は3年にわたるため、市側は県に継続的な財政支援を求めた。全県的な医療再編は待ったなしで、関係者間の調整は今後さらに難しくなりそうだ。
「言葉に尽くせないほどありがたい。さらなる経営改革を進め、県民が安心できる医療提供を続け、安定経営に努めていく」
6日に県庁で開かれた県、立地市、厚生連の3者によるトップ会談。厚生連の塚田芳久・代表理事理事長は、計19億円規模の支援を決めた花角英世知事や9市の首長らに、感謝と今後の決意を述べた。
厚生連の病院事業の継続が当面は約束された格好となり、立地9市の首長らも安堵(あんど)の表情を見せた。
▽支援の決定、一筋縄ではいかず
厚生連は昨年7月の経営危機公表後、速やかに県や病院立地自治体に財政支援を要請。だが、県の支援決定には時間を要した。
花角知事は厚生連病院を、県立病院と並んで地域医療を支える「二大ネットワーク」と表現。支援の必要性を認識しつつも県財政は苦しく、県立病院の経営危機も抱える中で「厚生連の改革の中身を見て検討する」と当初は慎重だった。
3者による水面下の調整は難航した。...
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