大雪のピークは越えたものの、降りやまない地域もある。降雪が収まってからも雪に伴う危険は続く。気を抜かず、周囲の安全を確かめながら生活したい。

 今季一番の寒気が居座り、日本の広い範囲を大雪が襲った。

 県内では、魚沼市や津南町で積雪が3メートルを超えている。「顕著な大雪に関する気象情報」が出された新潟市では、中央区の12時間降雪量が観測史上最大の50センチを記録するなどした。

 積雪量が増え、県は阿賀町と津南町の全域、長岡、魚沼、十日町、上越各市の一部に災害救助法を適用した。

 気象庁によると、大雪となったのは、偏西風が日本付近で南に大きく蛇行し、北からの冷たい空気が南下したためだ。寒気の強さや広がり、期間の長さを総合すると「数年に1度」の事態という。

 雪に慣れた本県でも、降雪で公共交通機関が運休するなど影響が広がった。週末を除雪に費やし、疲弊した人は多いだろう。

 気を付けたいのは、冬型の気圧配置が緩んでからも、雪による被害が起きやすいことだ。

 山間地で雪崩が発生しやすくなっている。巻き込まれる恐れがあるほか、道路が雪崩にふさがれ孤立することがある。

 除雪作業はまだ続く。作業中の事故が増えていることが心配だ。雪下ろしで屋根から落ちないように十分気を付けてもらいたい。

 除雪機を使う場合は、詰まった雪を取り除く際にエンジンを停止することや、安全装置が作動する状態にしておくことが不可欠だ。

 屋根からの落雪にも注意が要る。水分を含んだ屋根雪は見た目よりも重くなり、危ない。

 市街地などは積雪で車道が狭くなっている。歩道が十分に確保できず、雪壁で歩行者が見えづらいところもある。スリップもしやすい。注意を払って運転したい。

 今回、日本海側で局地的な大雪となったのは、大陸からの冷たい風が合流してできる「日本海寒帯気団収束帯(JPCZ)」による雪雲が流れ込んだためだ。

 日本海の海面水温が平年より高く、多くの水蒸気が供給され、雪雲の発達が促されたとみられる。

 気象庁は、地球温暖化が進むと雪は減ると予測する一方、ごくまれに降る大雪のリスクが低下するとは限らないとしている。

 冬の災害を減らすためにも、温暖化を招く二酸化炭素(CO2)の排出削減対策を加速させたい。