昼食に何を食べようか。悩みの種でもあり、楽しみのもとでもある。麺や洋食もいいが、和食テイストの「おにぎりランチ」が食欲をそそる。美を追求したデザイン性あふれる定食、田舎の雰囲気を楽しめる漬物入り、地域の特産を生かした味など、新潟県央地域の3店舗を紹介する。

◆お総菜コーナーも充実 豚田汁米(三条市片口)

「豚田汁米定食DX」。上から見て映えるスタイルを追求している(豚田汁米提供)

 伸ばしたのりの端に魚沼産コシヒカリのおにぎりを置く。具は米に混ぜることもあるが、見た目が肝心。鮭の切り身をぜいたくに大葉に載せてイクラをまぶした「鮭親子」は配色も鮮やかだ。「にいがた和牛のしぐれ卵黄」は黄色がポイント。豚汁や小鉢、栃尾(長岡市)のおぼろ豆腐が配されたデラックス定食は絵画のようでもある。

 現在26種類のおにぎりは、デザイン業「PARTITA(パルティータ)」を営む代表取締役の小皆美佳さん(36)が考える。「美しくボリュームのあるきれいなおいしそうなおにぎり。上から写真を撮ったときに映えるスタイル」を追い求め、もっと増やしたいという。自ら厨房(ちゅうぼう)に立ち「いかに握らずにきれいな三角を作るか」とこつを語る。

 2024年3月にオープンした。田んぼの中のロケーションもお気に入りだ。

総菜コーナーに立つ小皆美佳さん=三条市片口

 人手がかからずにできるおにぎりに「みそ汁よりは豚汁」を添え、フードコート形式の総菜コーナーを設けた。女性が楽しめるようにと小鉢の柄も選べる。

 根底にあるのは「デザインをもっと身近に感じてほしい」という思い。食で実現するために始めた「おしゃれな定食屋」には、郊外にもかかわらず、多くの人が訪れている。

 「豚田汁米定食DX」は平日1958円〜、「仔(こ)豚定食」1188円〜など。

<メモ>「豚田汁米」三条市片口。0256(60)1222。午前10時〜午後4時、持ち帰り〜午後6時。第4水曜定休。

◆里山の幸をふんだんに こくわ屋藤兵衛(三条市笹岡)

今冬限定の煮菜と自家製たくあんのおにぎり(手前)。奥は通年メニューで人気の自家製梅干しと、柔らか下田豚=三条市笹岡

 下田地区の国道289号沿いにある古民家風の農家カフェ。おにぎりは...

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