
海外向けパッケージのふんわり名人などについて説明する越後製菓の星野一郎会長=小千谷市
米どころとして知られる新潟。海外での和食の広がりや国内での米価高騰・品薄などでコメに注目が集まる中、新潟県の資源であるコメを武器に、付加価値を高める動きが相次ぐ。おにぎりなどはインバウンド(訪日客)で人気を集め、誘客や活性化のコンテンツとなる可能性を秘める。重点企画「NEXTコンテンツ潮流」の第1シリーズは、コメを強みに、新たな発想や工夫で価値を創造するクリエーティブな動きを追う。(9回続きの6)
ふんわり、口の中で溶けるような不思議な食感。越後製菓(長岡市)の人気米菓「ふんわり名人」が北米で大ヒットしている。
米国でおなじみの菓子はポテトチップスやコーンスナック。そこで勝負するのは難しい。「日本の伝統菓子であり、コメで作った驚きの食感だからこそ現地で売れる可能性がある」。越後製菓の星野一郎会長は、海外向けにパッケージを変えた商品を手に期待を語る。
2023年10月に米国の高級食品スーパー「セントラルマーケット」10店で販売を始め、24年には米大リーグドジャースの本拠地ドジャースタジアムの売店にも並んだ。25年3月には会員制スーパー「コストコ」のカナダの一部地区で販売が始まる。
新潟県米菓メーカーは全国シェアの上位を占める。国内市場は人口減少などで大きな伸びが期待しづらい中、全国を席巻した食感や味わいを武器に、海外市場にも挑戦する動きが活発化しつつある。
▽海外売り上げは3年で1・6倍、ヨーロッパや中東からも引き合い
ふんわり名人は独自製法によって...
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