2月に発売した金属製の炊飯用鍋「ごはん鍋」を紹介する宮﨑製作所の宮﨑絢子さん=燕市
2月に発売した金属製の炊飯用鍋「ごはん鍋」を紹介する宮﨑製作所の宮﨑絢子さん=燕市

 米どころとして知られる新潟。海外での和食の広がりや国内での米価高騰・品薄などでコメに注目が集まる中、新潟県の資源であるコメを武器に、付加価値を高める動きが相次ぐ。おにぎりなどはインバウンド(訪日客)で人気を集め、誘客や活性化のコンテンツとなる可能性を秘める。重点企画「NEXTコンテンツ潮流」の第1シリーズは、コメを強みに、新たな発想や工夫で価値を創造するクリエーティブな動きを追う。(9回続きの7) 

 土鍋で炊くようなふっくらとしたご飯に-。金属製で扱いやすい「ごはん鍋」が人気を集めている。ステンレスやチタンの間にアルミが入る3層構造で、鍋全体を効率的に加熱し、コメ本来の甘みを引き出す。ふきこぼれがしにくく、耐久性が高い。「おいしいご飯を食べたい」というニーズを受け、調理鍋製造の宮﨑製作所(燕市)がリニューアルさせた炊飯用鍋を2月に売り出した。

 宮﨑製作所は1960年に創業した。日本の家庭料理で使う鍋をコンセプトに、無水調理ができる鍋「ジオ・プロダクト」など7ブランドを展開する。設計開発から金型製作、プレスや磨き加工など一貫した製造体制を持つ。

 炊飯鍋は10年以上前に発売した製品だったが、昨今の原材料高を踏まえて、いったん製造をやめた。在庫を処分するため自社のECサイトで販売すると、5〜6年かけて売り切る予定が、1年半で完売した。

 炊飯専用の土鍋はあるものの、金属製の炊飯鍋はあまり出回っていなかった。顧客から相次ぐ問い合わせで「おいしいご飯を家で炊いて食べたい」というニーズを感じ、以前より使いやすくリニューアルした。

宮﨑製作所(燕市)が新たに売り出したごはん鍋

 水の目盛りにもこだわった。燕産のコシヒカリを炊き、...

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