阿部幸製菓の米粉麺専門店で提供する「まぜそば」。米粉麺とさまざまな県産食材をまぜて食べる=新潟市中央区
阿部幸製菓の米粉麺専門店で提供する「まぜそば」。米粉麺とさまざまな県産食材をまぜて食べる=新潟市中央区

 米どころとして知られる新潟。海外での和食の広がりや国内での米価高騰・品薄などでコメに注目が集まる中、新潟県の資源であるコメを武器に、付加価値を高める動きが相次ぐ。おにぎりなどはインバウンド(訪日客)で人気を集め、誘客や活性化のコンテンツとなる可能性を秘める。重点企画「NEXTコンテンツ潮流」の第1シリーズは、コメを強みに、新たな発想や工夫で価値を創造するクリエーティブな動きを追う。(9回続きの8)

 つるつるもちもちの白い麺。「濃厚な味のチャーシューや、鮮やかな黄色の卵などをまぜてどうぞ」。米菓製造の阿部幸製菓(小千谷市)は、県産うるち米を使用した米粉麺「新潟白色(にいがたホワイト)」を開発した。飲食店向けに業務販売するだけでなく、自社で米粉麺専門店を運営し、新しい発想のメニューを提案する。

 阿部幸製菓は1964年設立。柿の種を主力に、業務用米菓を製造してきた。海外輸出にも力を入れるほか、近年は積極的な企業の合併・買収(M&A)戦略で、米菓以外の食品にも事業を広げている。

 米粉麺開発のスタートは、阿部幸明社長(40)がベトナムで出合ったフォー(米粉の麺料理)だった。のど越しの良さやさっぱりとした味が「日本人の口に合う」と、日本国内での展開に可能性を感じたという。

 米菓製造のノウハウを生かし、現地の人気店の味を再現しつつ、日本人好みのフォーを開発。2020年、東京に専門店を開いた。

 フォーに続いて取り組んだのが、県産米を使用した新潟白色だった。粘り気を生むグルテンを含まない米粉でも、切れにくさや食感を追求した。

阿部幸製菓が製造販売に力をいれる米粉麺

 飲食店に販売するほか、...

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