
コンテンツツーリズム学会の増淵敏之会長
米どころとして知られる新潟。海外での和食の広がりや国内での米価高騰・品薄などでコメに注目が集まる中、新潟県の資源であるコメを武器に、付加価値を高める動きが相次ぐ。おにぎりなどはインバウンド(訪日客)で人気を集め、誘客や活性化のコンテンツとなる可能性を秘める。重点企画「NEXTコンテンツ潮流」の第1シリーズは、コメを強みに、新たな発想や工夫で価値を創造するクリエーティブな動きを追う。(番外編)
日本人の主食であり、原風景ともつながっていると言われるコメ。身近な存在だけにその価値に目が向きにくいが、世界的な和食の広がりでおにぎりなどがインバウンド(訪日客)でも人気となっている。コンテンツツーリズム学会会長の増淵敏之・法政大大学院教授(67)にコメの魅力と可能性について聞いた。(報道部・荒木崇)
-南魚沼市などがおにぎりのPRを始めました。
「15年ほど前から南魚沼市の活性化の取り組みに関わっているが、ぐるっと回ってコシヒカリに行き着いた。コシは地元にとって当たり前の存在で灯台下暗しだった。この地域でもおにぎり屋が増え始め、風が吹いた」
-海外の和食ブームの影響もありますか。
「影響は大きい。インバウンドは年間約3600万人に上り、コンビニのおにぎりもよく食べられている。アニメの影響もある。50作品ほどにおにぎりが出てくる。世界に日本のアニメが波及している以上、うまく使うべきだ。漫画やアニメだけでなく、スポーツや食を含めた日本の文化コンテンツの力は大きい」
-全国的におにぎり専門店が増えています。
「首都圏にも地方のおにぎり店が進出してきている。...
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