宇都宮大助教・小川真如氏
宇都宮大助教・小川真如氏

 政府が備蓄米放出を決めても、コメ市場では高値と品薄懸念が続いている。2023年産米の品薄をきっかけとした異常事態は、24年産米が出回れば価格も供給量も落ち着くとされた。だが、その後も高値が続き、備蓄米が間もなく放出される。消費者のコメへの信頼を失いかねない状況を、米どころである新潟県の生産者も心配する。コメ政策が転換点を迎える中、課題と展望を識者4人に聞いた。(報道部・山本司)

備蓄米著しい不作など緊急時に備えて国が保有しているコメ。1993年の大凶作「平成の米騒動」をきっかけに95年から制度化した。(※ページ下部に詳細)放出は当初予定で21万トン、その後も拡大を検討するとしています。

 「当初予定の21万トンという数字に、農林水産省のメッセージが二つ込められていると思う。一つは、全農など主要な集荷業者の不足分とほぼ一致することか...

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