
平和の語り部の佐藤久枝さん(右)が体験を語った県連合遺族会青年部の語り部研修=3月、新潟市中央区
戦後80年が近づく中、県内では戦没者遺児らでつくる遺族会の解散が相次いでいる。活動の中心世代が80代半ばと高齢化したことが主な理由だ。各遺族会を束ねる県連合遺族会でも会員数が激減し、慰霊行事などの活動費の不足が深刻化。近年は基金を取り崩して賄っているが、3年後には基金が枯渇する恐れがあり、存続の岐路に立たされた関係者は頭を悩ませている。
「一番は高齢化です」。3月末で解散した糸魚川市の青海遺族会で会長を務めていた齋藤拓雄さん(81)は、解散理由をこう語る。20年ほど前に約100人いた会員は、解散時には40人弱にまで減少。全員が80歳を超えていた。会員は会議に集まるのも難しい状態が続き、昨年の...
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