
平家琵琶の通し語りをする髙橋秀樹さん。独特の抑揚や言い回しに、訪れた人たちは静かに聞き入った=新潟市中央区西堀通8
新潟大教授で「平家琵琶」伝承者の髙橋秀樹さん(59)が、全200句ある「平家物語」の弾き語りを完結させた。琵琶の音に合わせて物語を順番通りに数句ずつ弾き語りする催しを、1年半前からほぼ毎週開催してきた。全国でも数少ない伝承者である髙橋さんは、今後、多くの地域での活動に意欲を示している。
平家琵琶は、鎌倉時代に成立したとされる軍記物「平家物語」を語るためだけに使われる琵琶で、伝承者からの口伝と書き物によって伝えられてきた。
室町時代まで記録が残っていた200句の通し語りは、江戸時代初期以降、記録から消えたが、1990年代末から再現されるようになった。平家琵琶の伝承者は少なく、全200句を単独で...
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