街を歩く人はほとんどマスクをしている。今は当たり前のような風景が変わるのだろうか。松野博一官房長官が、屋外で人との十分な距離が取れる場合は着用不要との認識を示した

▼政府は現時点では海外のような着用緩和には否定的だが、屋外については政府の専門家組織の脇田隆字座長も「距離を取って会話もないような場合ではマスクをする必要はない」とする。これからの季節は、マスク姿は熱中症のリスクも高まる

▼実際の場面を想像してみる。通勤時は周囲に人がいることも多い気がする。自宅近くを散歩する際は外せるかもしれない。ただ、もし知り合いに話しかけられたら。マスクをしていないからと遠ざかれば角が立つだろうか。やはり当面は着用した方が無難だと考えてしまう?

▼マスクの心配などせずに済む日が一日も早く来てほしい。でも、同調圧力が強い日本の社会に生きる身としては、リスクが低い場面でも周囲の目が気になることも多い。病気は怖い。周囲の目も怖い。悩ましい場面も多々ありそうだ

▼全国知事会は、屋外でのマスク着用の新たなルールを作るよう要望した。四角四面の規則を押しつけられるのは息苦しい。ただ、ある程度の目安があれば、気兼ねなく外せるようになるのかもしれない

▼さて、散歩の際のマスクはどうするか。着用せずに軽快に歩きたいのが本音だ。そうは言っても、必要になる場面に出くわすかも。しばらくはマスクを懐にしのばせて…。苦し紛れに、そんなことを考えた。

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