先日、米短文投稿サイトのツイッターにこんな投稿があった。「出生率が死亡率を超すような変化がなければ、日本はやがて存在しなくなる。世界にとっては大きな損失だ」

▼つぶやいたのは世界一の富豪、イーロン・マスク氏。この運営会社の買収の動きに注目が集まる。なぜ日本についてコメントしたのか、臆測が飛び交う。新宿でラーメンを食べ、アニメの大ファンという親日家である

▼当人は衰退する経済大国の人口推計に触れ、真顔で訴えたようだ。総務省が発表した昨年秋の人口推計は日本の総人口が1億2550万人と11年続けて減り、過去最大のダウンだった。出生率低下と死亡率上昇に歯止めがかからない。超少子化が進んでおり、31年後には1億人の大台を割るともいわれる

▼電気自動車大手を率いるマスク氏は、宇宙ベンチャーで惑星間移動の夢を描く。一方で、人型ロボットや無人運転などの実用化を着々と進める。人間の英知なくして未来なし。この夢追い人は現実的な信念を併せ持つからこそ、「日本消滅」への警鐘を鳴らしたのではないか

▼私たちにすれば「新潟消滅」の懸念にもつながる。県人口は218万人を割り、1年間で過去最多の2万4千人も減った。明治中期、本県の人口が全国一だったことは有名だ。それが今は全国15位。減少率は1%を超え、全国7番目だ

▼マスク氏の指摘を知事選にだぶらせる。人口減対策はもとより、生活の質向上も問われる。新鮮な切り口で郷土復興論を競ってほしい。

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