苦しい戦いが続いた前半戦だった。課題をしっかりと克服し、チームの立て直しが急がれる。

 後半戦では白星を積み重ね、まずは降格圏から抜け出すことが、サポーターや県民の願いだ。選手の奮起を期待したい。

 サッカーJ1のアルビレックス新潟は今季の前半戦を終え、3勝7分け8敗、勝ち点16の19位で折り返した。

 今季から指揮を執る樹森大介監督は「新潟史上最高」を掲げて臨んでいるだけに、ふがいない成績といえよう。

 開幕から8試合勝つことができなかった。昨季から続いたリーグ戦未勝利記録は17試合となり、クラブのワースト記録を更新した。

 J120チーム中、下位3チームが来季J2に降格となる。後半戦の巻き返しが必須だ。

 アルビの後半戦は15日から始まる。ホームのデンカビッグスワン(新潟市中央区)で、現在最下位の横浜F・マリノスと対戦する。勝ち点3を確実に獲得し、上昇気流に乗りたい。

 低迷の要因として、リードしていながら守り切れずに追いつかれ、勝ち点3を取りこぼす試合が多くあったことが大きいだろう。7試合あった引き分けのうち、6試合が該当する。

 総失点27は前半戦終了時点でJ1ワーストタイだ。先制された試合では終盤、攻撃に重きを置いたことで守備のバランスを崩し、立て続けに失点したこともあった。

 試合終了まで集中力を切らさずに、ほころびが出ない守備陣へと強化することが欠かせない。

 攻撃面では、従来のボールをつなぐスタイルの再構築が必要だろう。特にハイプレスを仕掛けてくる相手チームには苦戦した。その対応策も求められる。

 懸念されるのは、FW小見洋太選手がJ1柏へ完全移籍したことだ。前への推進力に優れたアタッカーで、今季ホーム初白星を挙げた試合では逆転ゴールも決めた。抜けた影響は大きい。

 降格圏が下位3チームだったシーズンに限れば、過去3度降格圏で折り返している。

 そのうちJ1に残った2012年と15年の後半戦はそれぞれ6勝、5勝を挙げた。ただ、昨季の状況から勝ち点40前後は必要とみられ、12、15年より多く勝ちたい。

 残留を信じてサポーターや多くの県民が、熱い声援を送り続けるはずだ。その期待に応えるプレーを見せてほしい。