
島でダマと呼ばれる巻き貝=6月上旬、粟島浦村
海や川を見つめてきた長期企画「碧のシグナル」。最終シリーズの連載「あすへの水脈筋(みおすじ)」は、漁業や環境の今後を展望します。(8回続きの2)
「いた、いた。こいつです」。粟島浦村の粟島漁港近くの海岸で、漁師の川原燎さん(34)が捕まえて差し出したのは3、4センチほどの小ぶりな巻き貝。島では一回り大きなよく似た貝と共に「ダマ」と呼ぶ。
「磯の香りがしっかりあって味がいい。食感もやわらかい」。お酒のあてになり、島では酢の物や天ぷらにしても食べるが、売っても金にならない。川原さんはいま、このダマをどう売り込むかを考えている。
日本海に浮かぶ人口約300人の小さな島との縁ができたのは、2021年...
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