
くわどり市民の森の分区林を訪れた上越市漁協の仲田紀夫組合長。「魚の森」をこれからも大事にしていきたいと思う=6日、上越市
海や川を見つめてきた長期企画「碧のシグナル」。最終シリーズの連載「あすへの水脈筋(みおすじ)」は、漁業や環境の今後を展望します。(8回続きの8)
糸魚川市の能生漁港の近くにある能生白山神社。拝殿の裏に標高90メートルほどの「尾山(おやま)」がある。神社の森を意味する「社叢(しゃそう)」、そしてヒメハルゼミの北限の生息地として山は天然記念物にもなっている。神社の関係者は頂への道を下草刈りし、大事にしている。
上越漁業協同組合(糸魚川市)の組合長、磯谷(いそがい)光一さん(67)は子どものころ、海に近い尾山のてっぺんに時折上がり、沈む夕日を眺めた。「いい遊び場だった」
尾山の一部など約5ヘクター...
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