タヌキとみられる動物。疥癬に感染した可能性が高い=5月9日、新潟市江南区(古泉奏太君提供)
タヌキとみられる動物。疥癬に感染した可能性が高い=5月9日、新潟市江南区(古泉奏太君提供)
古泉奏太君

 高知県で疥癬(かいせん)にかかったタヌキが見つかったとの新潟日報朝刊記事を巡り、新潟市内でも同じような個体の目撃情報が寄せられた。飼い犬などタヌキと同じイヌ科の動物に感染の恐れがあるため、市は注意を呼びかけている。(報道部・黒島亮)

 記事は10日付27面の「『もっとあなたに特別報道班』パートナー紙から」に掲載された。パートナー紙の高知新聞の記事で、痩せた茶色い動物を調べてほしいとの依頼を受け、高知新聞の記者が専門家に取材。疥癬にかかったタヌキであることを突き止めた。

 疥癬に感染したとみられる個体を見つけたのは、新潟市江南区の横越小学校5年生古泉奏太君(10)。9日午前11時ごろ、自宅の庭で見つけ、家族が撮影。家族が江南署に通報した。古泉君は「最初は『見たことがない動物だ』と思い、びっくりした」と話す。特別報道班も新潟市に取材。担当者は「撮影された個体は疥癬にかかった個体である可能性が高い」と話した。

 疥癬は個体にダニが寄生し、発病する。感染した個体は毛が抜け、皮膚は硬くなる。

 古泉君は「タヌキがかわいそうだし、別の動物にうつらないのだろうか」と心配する。

 特別報道班には、2年前にも村上市の自宅の庭で見かけたという情報が寄せられた。

 新潟市環境政策課によると、市内で疥癬にかかった個体についての情報は年に数件寄せられている。同課は「感染したタヌキの抜けた毛などが靴につき、ペットなどに感染を広げる恐れがある。自分だけで対応せず、区役所などに連絡してほしい」とした。