今回は「隠居」をテーマにしたお話です。

 先日、親戚の人から「隠居しないの?」と電話越しに聞かれて、一瞬、思考が停止してしまいました。われに返り、「隠居? 隠居って、今の時代、死語じゃない」と返すと、「えー、死語ー?」と言われたまま別の話になりました。

 「隠居」と言われると、昭和の時代にテレビでよく見た「水戸黄門」を思い出します。おそらく親戚の人の言葉は、「東京から新潟に帰ってこないのか」という意味だと思います。

 ところが、私は15歳で親元を離れてからも、本拠地は新潟のまま、ずっと留学か出稼ぎの気持ちでこれまでを過ごしてきました。この脳番地日記の掲載も、新潟県人として本懐なのです。

 前置きが長...

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