「軍都高田」の歴史を刻む旧師団長官舎=上越市大町2
「軍都高田」の歴史を刻む旧師団長官舎=上越市大町2

 戦争に関連する遺跡や建物は、戦禍や歴史を今に伝える貴重な「無言の語り部」だ。ただ戦後80年が経過して多くが失われ、現存する物も保管や活用の在り方が問われている。県内に残る戦争遺跡を紹介する。

 上越市高田地区にある「旧師団長官舎」(大町2)は、1910(明治43)年に旧陸軍第13師団長・長岡外史の官舎として建てられた。日露戦争後、師団増設の機運が高まる中、旧高田町が誘致し、第13師団の設置が実現。和洋折衷の木造建築は、城下町から「軍都高田」へと変貌を遂げた歴史を今に伝える。

 1階には書斎や食堂、応接室があり、天井などに豪華な西洋風の装飾を施した。2階は対照的に畳にふすまの和風のしつらえで、師団...

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