コメ産地が揺れている。品薄感や価格高騰で生産や販売の現場は混乱が続く。価格安定への道筋が見えない中、国は増産にかじを切ろうとしている。大きな転換点を迎え、関係者は状況をどう見ているのか。秋田魁新報社(本社秋田市)と連携し、日本有数の米どころである新潟県と秋田県の産地の声を発信する。

「コメ離れ心配、備蓄米放出の影響も不安」齊藤さん

ビニールハウスで作業する齊藤拓さん。「主食のコメをどう守っていくか、国民全員で考えないといけない」と語る=大仙市

 ここ数年、農林水産省が発表する作況指数と実際の収穫量に差があると感じていた。秋田県の2024年産米の作況指数は「やや良」の102だったが、私の田んぼでは例年より収穫できなかった。供給量が減っている中で、新型コロナウイルス禍が明けて需要が増加し、需給バランスが崩れて米価高騰につながったと考えている。

 現在は大仙市で...

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