姿が見えないと必要とされるのに、現れると嫌われるものって何? 同じような謎かけが、世界各地にあるという。答えは雨。いつもなら、もううんざりだと疎ましく感じる時季も、今年は少し勝手が違った
▼まとまった雨がほとんど降らないまま、県内はあっさりと梅雨明けした。太平洋高気圧の張り出しを受けて判断されたようだが、梅雨らしい雨量がなかったためか、何だか拍子抜けする
▼この先の天気予報も、手元のスマホで調べる限り傘マークは一つも見当たらない。ダムの貯水量が気にかかる。昨年来の米騒動を思えば、渇水が出来秋に影響しないか心配が膨らみ始める
▼2022年の県北豪雨被害は8月に起きた。近年は線状降水帯の発生などで、ゲリラ的に猛烈な雨が集中して襲う傾向もある。油断はできない。不用意なことは口にするまい
▼ひたすら暑い空梅雨が期間中続くとは、想定外だったかもしれない。参院選は17日間の選挙戦を終え、きょう投開票を迎えた。新潟選挙区の各候補は炎天下の演説で声をからし、頭を下げ続け、窓全開の街宣車で走り回った。ヘトヘトになったことだろう。ただ、試練はここまで…などと考えてもらっては困る
▼当選者が手にするのは栄誉というより、これから6年に及ぶ重責である。いうまでもない。物価高対策など一つ一つ挙げるまでもなく、政治課題は山積みだ。姿が見えても見えなくても、必要とされる存在として負託に応えてくれそうな人は誰なのか。選ぶ側の責任も重い。