
深雪なすの出来を確認する仲丸晋也さん=魚沼市下田
ブランド米のコシヒカリのイメージが強い魚沼地域だが、昼夜の寒暖差を生かした夏野菜の産地でもある。栽培農家に自慢の野菜を紹介してもらい、お薦めの調理方法を聞いた。(6回続きの3)
水分をたっぷり含み、ころんとした果実に、光沢のある濃い紫色の皮。手に取ると、ずっしり重い。魚沼市広神地域で生産されているブランド野菜「深雪(みゆき)なす」の出荷が今月、始まった。
大阪府南部特産の泉州水ナスの流れを持つ梨ナス系統の品種で、みずみずしさと甘さ、皮の柔らかさが特長。減反の転作作物として、広神村時代の1970年代に藪神地区で栽培を始めて以来、種は門外不出で、自家採種を続けてブランドを守ってきた。
現在は広神地域を中心とした「やぶかみなす生産組合」の14軒が栽培する。「50年以上にわたって露地で育てられ、魚沼の豊富な雪解け水と夏の暑さが作り上げた」。仲丸晋也組合長(50)は胸を張る。
昨年の出荷量は約73トン。主に首都圏に送られている。出荷は10月まで続き、秋にかけてさらに甘みが増し、果肉は黄色っぽくなる。
今年は雪消えが遅く、苗を植えた5月は低温が続いたが、6月から高温となり、「暑さに強いので元気に育っている」と日焼けした顔をほころばす。
食べ方は浅漬けが定番だが、生でも食べられ、刺し身...
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