アメリカの日本に対する新たな関税は7日の発動が決まったが、交渉過程におけるトランプ大統領の発言には今も違和感を抱く。「日本ではアメリカ製の車がほとんど走っていない」とかみつき、貿易障壁の解消を訴えていた
▼アメ車ユーザーは確かに多くはない。両国の車両の安全基準に違いがあるそうだが、普及しないのは制度の問題ではないだろう。日本で乗ってみたいと思えるかどうかだ
▼市場はぐっと小さいが、2輪車ではアメリカのハーレーダビッドソンが日本の輸入車シェアのトップである。大型のV型エンジンを載せた独特の振動と音はバイク乗りの憧れでもある。商品に魅力があれば需要は高まる。当然のことだろう
▼需要が供給を上回ればモノは足りなくなる。これも当然のこと。コメの高騰は、コメ需要の見通しの誤りが招いていたようだ。今年上半期までの年間需要が推定より38万トン多かった
▼農水省の実態把握の甘さが不可解な騒動につながった。投機目的の囲い込みかと疑心が膨らんだが、臆測だった。インバウンドの増加やコメの高温障害も供給不足の要因になったが、果たして国は現場にしっかり目を向けていたのか
▼ともかく、需要が増えるのは稲作県にとって吉報だ。コメ消費の落ち込みが言われて久しい中、需要実績が上向くのは2年連続になる。米価の安定や担い手確保など難題が霧散するわけではないが、コメを食べたい人が増え、農家が求められる存在になっていくとするなら、素直にうれしい。