日本女子選手の強さ、層の厚さを世界に示した大会だった。優勝を含め上位に入った選手らの活躍が、日本選手勢のさらなる飛躍につながることを期待したい。

 女子ゴルフの山下美夢有(みゆう)選手が、英国で行われたAIG全英女子オープンを制し、メジャー初優勝を果たした。

 全英オープンで日本勢の制覇は、2019年の渋野日向子選手以来2人目となる。メジャー大会での優勝は6人目だ。

 山下選手は「緊張はしていたが、自分のプレーに自信を持ってできた」と喜びを語った。

 22年に日本ツアーで5勝し、史上最年少の21歳103日で年間女王になり、23年も年間女王となった。24歳となった今年は米ツアーに本格参戦し、早くもその実力を発揮したといえる。

 山下選手は150センチと小柄ながらも、持ち味はショットとパットの正確さにある。今大会も大きく崩れることなく安定感を見せ、第2ラウンドから首位に立ち、そのまま逃げ切った。

 昨年のパリ五輪では4位とメダルをあと一歩のところで逃し、悔し涙を見せていただけに、今回の優勝は格別だろう。

 今大会で2打差の2位に勝みなみ選手、4位には竹田麗央(りお)選手が入り、日本勢が上位を占めたことは、今後を期待させる。

 世界トップクラスの大会で、日本勢同士が優勝争いをしたことは、日本の他の選手たちにも大きな刺激になったのではないか。

 今後も切磋琢磨(せっさたくま)して、さらなる高みを目指してもらいたい。

 昨今の日本女子の活躍は目を見張るものがある。

 全米女子オープン選手権では21年に優勝した笹生(さそう)優花選手が24年も制し、日本勢初となる2度のメジャー制覇を達成した。昨年のエビアン選手権では古江彩佳選手、今年4月のシェブロン選手権は西郷真央選手が、それぞれ制した。

 1998年度生まれの「黄金世代」や、その後の「プラチナ世代」など、個性豊かな多くの有力選手が競い合い、レベルアップにつながったのだろう。

 全英オープンに新潟市東区出身の高橋彩華選手が出場し、残念ながら予選落ちした。高橋選手は6月の国内ツアーで3季ぶりに優勝している。

 加茂市出身の若林舞衣子や新発田市出身の石井理緒、田上町出身の泉田琴菜、関川村出身の瀬賀百花ら各選手も大いに活躍し、郷土を沸かせてほしい。