
政治学者の原武史氏
参院選で議席を増やした参政党は、復古主義的な天皇観を持ち、それを憲法草案に盛り込んでいる。こうした勢力が台頭してきた背景には、政治色の強かった平成の天皇と皇后が退場して、無色透明に近い天皇の時代になったことがあるのではないかと考えている。
護憲派リベラルの側に立ち、平成後期には、安倍政権に対峙するかのような姿勢を取っていた天皇皇后が、一種の抑止力になっていた。その重しが取れてタブーがなくなり、何でも言えるようになったということだ。
参政党の言う「天皇のしらす国家」「稲穂が実る豊かな国土」は日本書紀や古事記に由来し、「君民一体の国家」は戦前の超国家主義を想起させる。今の時代にこんなものが出てく...
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