
紙すきをする今井千尋さん。振り方や揺する回数を調節し、厚みを均等にする=長岡市小国町小栗山
県内には人々の暮らしや地場の産業を支えるあまたの職人がいる。連綿と受け継がれた技術を次代につなごうと、日々工夫を凝らしながら、奮闘を続けている。今に息づく伝統工芸などの担い手を紹介する。
華やかなコサージュ、ミニあんどん、アクセサリーに椅子カバー…。長岡市小国地域の小国和紙生産組合の工房に並ぶオリジナル雑貨は、手すきのぬくもりと、さまざまな使い方があることを伝える。小国和紙は原料にコウゾを100%使用し、丈夫で保存性が高いのが特長だ。
和紙職人の今井千尋さん(51)は「親の代からコウゾ100%にこだわってきた。繊維が長いので丈夫な紙ができるのです」と説明する。丈夫さを生かし、紙を縫い合わせて...
残り1080文字(全文:1380文字)