ドローンによる追肥作業を見守る平井雄志社長(右)=上越市板倉区(上越支社・大渕一洋)
ドローンによる追肥作業を見守る平井雄志社長(右)=上越市板倉区(上越支社・大渕一洋)

 米価高騰、コメ不足、増産への方針転換…。コメ生産を取り巻く環境が大きく変わる中、県内農家は経営戦略を再考しながら直接販売や農地集積、IT技術導入に取り組む。農政の大転換期にどのような「商流」を見据え、新たな「農のカタチ」を描こうとしているのか。小規模な個人農家から大規模な法人まで、経営規模別に現場の姿と課題をリポートする。(5回続きの5)

<4>幼なじみ3人で設立のカミハヤ(76ヘクタール・新潟市江南区)農地集積、規模拡大見据え法人に

 大きな画面に、その日の農作業の進捗(しんちょく)状況を示すエクセル表が表示された。農業法人「穂海農耕」(上越市板倉区)で毎日夕方開かれる全体ミーティング。収穫前のあぜの草刈り作業で、チームごとの担当人数や作業面積が表に打ち込まれ、目標面積に届かない部分の数字が赤く示された。デジタル技術を導入し、スタッフ間で情報を共有する。

 穂海農耕は、中山間地の上越市板倉区の水田を含め約161ヘクタールで、ゆきん子舞やにじのきらめきなど9品種の中食・外食の...

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