出穂したコシヒカリについて話す「カミハヤ」の3人。左から杉本良介さん、坂上雅之さん、鷲尾徳昭さん=新潟市江南区(写真映像部・伊藤駿平)
出穂したコシヒカリについて話す「カミハヤ」の3人。左から杉本良介さん、坂上雅之さん、鷲尾徳昭さん=新潟市江南区(写真映像部・伊藤駿平)

 米価高騰、コメ不足、増産への方針転換…。コメ生産を取り巻く環境が大きく変わる中、県内農家は経営戦略を再考しながら直接販売や農地集積、IT技術導入に取り組む。農政の大転換期にどのような「商流」を見据え、新たな「農のカタチ」を描こうとしているのか。小規模な個人農家から大規模な法人まで、経営規模別に現場の姿と課題をリポートする。(5回続きの4)

<3>従業員6人の高南農産(75ヘクタール・村上市)中山間地で食味こだわり

 「令和の米騒動」が起きた2024年、米価が大幅に上昇した。「2016年の法人設立以来初めて、コメの販売だけで営業利益が出ました」。農事組合法人「カミハヤ」(新潟市江南区)代表の鷲尾徳昭さん(45)は喜ぶ。

 幼なじみで、それぞれ稲作農家の跡継ぎだった鷲尾さんと坂上雅之さん(46)、杉本良介さん(45)の3人で「カミハヤ」を立ち上げた。規模拡大を見据え...

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