
もふもふの体に読めない行動…猫は果てしなくかわいい。家族同然に愛されることもあれば、増え過ぎてきちんと飼えなくなる「多頭飼育崩壊」など劣悪な環境に置かれるケースもある。そんな猫を保護し、新たな飼い主と結ぶ活動をしている人がいる。出合いの場となるカフェや譲渡会の現場を訪ね、どうすればより多くの猫と人が幸せになれるのかを探った。
(写真映像部・大須賀悠)
個性豊かな猫が暮らし…新たな飼い主との出合いを待つ場に
新潟市中央区の譲渡目的カフェ「おっぽ」
店内でお茶などを楽しみながら、猫を観察したり触れあったりできるのが「猫カフェ」だ。中でも新潟市中央区三和町にある「おっぽ」は、保護猫に新たな飼い主を見つけることを目的とした譲渡型の施設だ。どんな猫がいるのか会いたくて足を運んだ。
築約50年の民家を改装した2階建て。取材に訪れた日は6匹の猫がいるという。まずは1階の畳敷きの部屋に入ったが、姿が見えない。壁際の天井近くから気配を感じ、注意深く見てみると、いた。
はりの上のスペースに置かれた猫ちぐらの中から興味なさそうにこちらを見ている。「おっぽ」のシンボルにゃんこ「ミッチャム」だ。あいさつしようと手を近づけると「シャーッ」と威嚇された。猫好きの方には分かってもらえると思うが、そんな様子もかわいくてたまらない。

「おっぽ」は、猫を直接受け入れることはしていない。店にいるのは愛護団体や店長の神田弘樹さん(47)が保護した個体だ。飼い主のいない野良だったり、飼い主が亡くなったりと背景はさまざま。これまで約200匹が新たな飼い主に迎え入れられた。昨年2匹の親子猫を迎えた新潟市東区の主婦(43)は「猫が来て毎日楽しい。娘たちはよく猫の体に顔をうずめるようにしてかわいがっている」と笑う。
神田さんは以前、動物愛護団体でボランティアをしていた。譲渡会を毎日開けるような場所があればと思い、2017年に開店した。神田さんによると猫の自然な姿を見ることができ、飼育するイメージがしやすい。飼えない人でもカフェを利用することで、間接的に譲渡を支援することになる。猫も客と触れあうことで人になれ、スムーズな譲渡につながるなど、多くの利点があるという。

猫を迎えるには、...