「ケーブルテレビにとって、最大のスポンサーは、毎月料金を頂いている視聴者。だから、良い番組を作らなきゃいけない」と話す高橋孝之さん=2025年7月、鳥取県米子市
 「ケーブルテレビにとって、最大のスポンサーは、毎月料金を頂いている視聴者。だから、良い番組を作らなきゃいけない」と話す高橋孝之さん=2025年7月、鳥取県米子市
中海テレビ放送の本社。後ろの工事中の建物は、2026年春に稼働予定の新社屋だ=2025年7月、鳥取県米子市
中海テレビ放送のニューススタジオ。1年365日、ここからニュースを生放送している=2025年7月、鳥取県米子市
水質が改善した中海では、オープンウオータースイミングの大会も開かれるようになった=2011年6月
中海テレビ放送の報道スタッフ。インタビューもカメラ操作も1人で行うビデオジャーナリストだ=2025年7月、鳥取県米子市

 ケーブルテレビといえば、映画や音楽の有料チャンネルの他は、自治体の広報番組を流しているイメージが強いかもしれない。だが、鳥取県米子市の中海(ちゅうかい)テレビ放送は、報道に力を入れ、ニュース専門チャンネルを設けて、地域の情報をきめ細かく伝えている。会長の高橋孝之(こうし)さん(79)は「放送は手段で、目的はまちづくり」と言い切る。どういうことか。山陰の港町を訪れ、聴いた。(共同通信編集委員・原真)

▽自主制作13チャンネル

 中海テレビは1989年に開局した。米子市を中心に、鳥取県西部の8市町村でサービスを行っている。放送区域の約10万世帯の6割が中海テレビを視聴している。

 1946年生まれの高...

残り2366文字(全文:2666文字)